初診日とは?はじめての方にもわかりやすく解説

障害年金の申請を考え始めたとき、多くの方が最初につまずくのが「初診日」という言葉です。
「現在通っている病院を初めて受診した日でしょうか」「病名が確定した日ですか」と、戸惑う方も少なくありません。
障害年金における初診日は、受給できる年金の種類や保険料の納付要件、障害の状態を判断する時期などを決める、とても重要な日です。初診日を正しく確認できなければ、その後の手続きを進めることが難しくなる場合もあります。
一方で、最初の受診から長い年月がたっている場合や、複数の病院を受診している場合には、初診日を特定することが簡単ではありません。
この記事では、障害年金の初診日とは何か、なぜ重要なのか、どのように確認するのかを、はじめての方にもわかりやすく解説します。
障害年金における初診日とは
障害年金の初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。
ここで大切なのは、現在の病院を初めて受診した日とは限らないという点です。
例えば、現在は精神科に通院している方が、最初は不眠や食欲不振、頭痛などを理由に内科を受診していたとします。その内科での受診が、現在の病気につながる症状についての診療であれば、精神科を受診した日より前の内科受診日が初診日になる可能性があります。
また、初めて正式な病名がついた日や、症状が最も重くなった日、障害者手帳を取得した日が初診日になるわけではありません。
病名が後から変わっていても、現在の障害と過去の傷病に関連がある場合には、最初の受診までさかのって確認する必要があります。
なぜ初診日がそれほど重要なのか
初診日は、障害年金の申請におけるさまざまな判断の出発点になります。
特に重要なのが、次の三つです。
受給する年金の種類が決まる
初診日にどの年金制度に加入していたかによって、請求する障害年金の種類が変わります。
初診日に国民年金に加入していた場合や、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、原則として障害基礎年金の対象になります。
会社員や公務員など、厚生年金に加入している期間中に初診日がある場合は、障害厚生年金の対象となります。
障害基礎年金は1級と2級ですが、障害厚生年金には1級と2級に加えて3級があります。また、一定の条件を満たす場合には障害手当金の対象になることもあります。
そのため、同じ病気や同じ程度の障害であっても、初診日がいつであったかによって、適用される制度が異なることがあります。
保険料納付要件の基準になる
障害年金を受給するためには、一定の保険料納付要件を満たしている必要があります。
保険料の納付状況は、初診日の前日を基準として確認されます。
そのため、申請を考えてから未納分を納めても、障害年金の納付要件の判定には間に合わない場合があります。
なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。ただし、受給後には本人の所得による支給制限が設けられています。
障害認定日を決める基準になる
障害認定日とは、障害の程度を判断する基準となる日です。
原則として、初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日になります。ただし、初診日から1年6か月以内に症状が固定した場合や、人工透析など一定のケースでは、例外的な取扱いがあります。
障害認定日に法令で定められた障害状態に該当していれば、障害認定日による請求を検討できます。
つまり、初診日が決まらなければ、障害認定日も決めることができません。
転院している場合の初診日はいつ?
複数の医療機関を受診している場合、現在の主治医の病院が初診の医療機関とは限りません。
例えば、次のような経過があったとします。
最初に内科を受診し、その後に心療内科を紹介され、さらに別の精神科へ転院した場合、現在の精神科を受診した日ではなく、現在の傷病と関連する症状で最初に内科を受診した日が初診日になる可能性があります。
転院のたびに初診日が新しくなるわけではありません。
一方で、過去の病気が治った後に長期間通常の生活を送り、その後、別の病気として新たに発症したと認められる場合などは、別の初診日が検討されることがあります。
病気の関連性や治療経過によって判断が異なるため、自己判断で初診日を決めることは避けたほうが安心です。
精神疾患や発達障害では初診日が分かりにくいことも
うつ病や発達障害などでは、初診日が分かりにくくなるケースが少なくありません。
最初から精神科や心療内科を受診するとは限らず、眠れない、食欲がない、頭痛がする、動悸がするといった症状で内科などを受診している場合があるからです。
また、スクールカウンセラーや産業医などに相談後、医療機関を受診していることもあります。
ただし、相談した日がそのまま障害年金の初診日になるとは限りません。初診日は、原則として病気やけがについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。
学校や職場での相談記録は、受診までの経過や症状の始まりを確認する参考資料になる可能性がありますが、実際の取扱いは個別の事情によって異なります。
発達障害の場合も、「生まれつきの特性だから誕生日が初診日になる」と一律に判断するものではありません。知的障害を伴うかどうかや、これまでの受診歴などによって取扱いが異なるため、丁寧な確認が必要です。
初診日はどのように証明するの?
初診日の証明は、原則として、最初に受診した医療機関が作成する「受診状況等証明書」によって行います。
現在の診断書を作成する病院と初診の病院が同じ場合は、診断書の記載によって確認できる場合があります。異なる場合には、初診の医療機関に受診状況等証明書の作成を依頼するのが一般的です。
しかし、初診から長い年月がたっていると、カルテが廃棄されていたり、病院が閉院していたりして、証明書を取得できないことがあります。
その場合でも、すぐに申請を諦める必要はありません。
診察券、お薬手帳、紹介状、健康保険の給付記録、領収書、入院記録など、受診時期を確認できる資料がないかを探します。一定の条件を満たす第三者の証明などを組み合わせて、初診日を申し立てる方法が検討できる場合もあります。
ただし、本人の記憶だけで初診日が認められるとは限りません。できる限り客観的な資料を集めることが大切です。
初診日が分からないときに確認したいこと
初診日がはっきりしない場合は、いきなり病院に証明書の作成を依頼するのではなく、これまでの経過を整理するところから始めます。
症状が出始めた時期、初めて家族や周囲に相談した時期、受診した病院名、診療科、受診のきっかけ、処方された薬、転院した経緯などを時系列で書き出してみましょう。
日記や家族の記憶、診察券、お薬手帳、医療費の領収書などが手がかりになることもあります。
最初に受診したと思っていた病院より前に、関連する症状で別の医療機関を受診していたことが分かる場合もあります。
初診日は、申請者にとって有利な日を自由に選ぶものではありません。受診記録や治療経過などの事実に基づいて、正しく整理する必要があります。
まとめ
障害年金における初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。
初診日は、どの年金制度が適用されるのか、保険料納付要件を満たしているのか、障害認定日がいつになるのかを決める重要な基準です。
特に、複数の病院を受診している方、精神疾患や発達障害のある方、初診から長期間が経過している方は、初診日の確認に時間がかかることがあります。
「どの病院が初診なのか分からない」「最初の病院にカルテが残っていない」「過去の病気と現在の病気がつながっているのか判断できない」という場合は、早めに障害年金に詳しい専門家へ相談することも一つの方法です。
一つひとつの記録と事実を丁寧に確認することが、安心して障害年金の申請を進めるための第一歩になります。

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